わたしのブログ

                                           わたしのブログ

ハワイでドライブ事始 No.5後編フリーC

『ハワイでドライブ事始 No.5(後編フリー旅行C)』

(6月6日)マウイ島から再びハワイ島へ。西海岸の楽園・カイルア・コナ泊

★カフルイ空港発ハワイ島コナ行は、マウイ島の秘境ハナへの難路上空を辿る

 今日は早朝の定期便で再びハワイ島へ飛ぶ日だ。…と言っても目指すのはコナの町で、第一日目にタクシー観光した東岸のヒロとは反対側にある西岸の都邑である。
 早く起きすぎて出発前に時間があったので、裏の浜辺を幸と散歩してみた。微妙に彩を変えながらユックリと明けていく常夏の島の静かな海を、新しく買ってきたシャープ独自のツインレンズ・ビデオならではの技法を駆使、アレコレと試し撮りしてみた。
 レンタカーをリターンしてから、ハーツのシャトルバスで空港に戻ると、荷物の見張番をしていた幸が「お腹の調子がオカシイのに、ちっとも戻って来ないで…」とすごくオカンムリだ。別に遊んで来た訳でもないのに八つ当たりされて面喰ったものの、プンプンしたくなる気持ちも判らぬでもない。ともあれ「まだ旅はこれからなのだから…」と少し心配になったが、お手洗いから帰って来ると、単なる生理現象らしくもあり、痛みも何とか遠のいたようだったため、先ずは一安心して出発を待つ。
 待合室では同じ便で近畿日本ツーリストの熟年の旅「ハワイ諸島めぐり」の人たちと顔を合わせた。7日間で確か27万8千円とか言っていた。我々と違い五つ星ホテルを泊まり歩き、グルメを満喫する豪華な旅であろうが、4島を巡るらしいので慌しさは拭えないだろうと思う。
 8時35分にカフルイ空港を発った機は、マウイ島の北岸に沿って東進する。眼下には《最もハワイらしい地域として人気上昇中だが、危険な長い道中と言う事でも有名》と聞き中止した、美しい秘境「ハナ」へのドライブウェーが続く。また島の最高峰であるハレアカラ火山も、中腹は雲海に隠されていたものの、藤紫色の山頂だけが雲の中から忽然とスカイブルーの光眩い空を背景に首を出していた。

 やがて海の彼方にハワイ島の山々が見えて来た。ハワイ諸島の最高峰、4206mのマウナ・ケアだ。機は此れを迂回するように北岸から東岸へと進み、まずヒロ空港に着陸した。初日に訪問した時は晴れていたが、今日は雨。そう言えば此処はハワイ諸島中に「雨の町」の異名で知られている多雨地帯だった。
 乗客の多くはこのヒロで降機。あの日本のツアー客も、これからキラウエア登山ですと言い残して降りて行った。乗機はそのままだが、ここからは新たな便としてカイルア・コナへ向かう形となる。このためハワイアン航空ドリーム籤のカードが再び配られ、何かチョッピリ得したような気持ちにさせられた。

★再びハワイ島へ。ヒロ経由で今度は西岸のリゾート地・カイルア・コナ着

 西岸中部カイルア・コナ空港への飛行は、この東岸中部の都市ヒロからはマウイ島方向へ戻る形となるので、島の主峰マウナ・ケアとマウナ・ロア(4170m)の間を抜けるのかと思った。しかし気流の関係からか、真に美しい海岸線を縁取るかのようにグルッと北周りで半周するコースだった。それでも所要時間は僅か25分。この大きなハワイ島でもジェット機なら1時間足らずで一周できる事になる。当然のようでもあるが、車で回れば走り続けても一日がかりでは難しかろうと思え、飛行機の便利さが今更ながら身に染みた。
 月の表面のように凹凸した黒い溶岩流の荒々しい原野を切り開いたカイルア・コナ空港は、殆んど黒っぽい木造平屋建ての現地風の建物で、その独特な野性味が気に入った。ただ町へはタクシーかレンタカーを利用するしか手立てがない。どちらにしようかと迷ったが、結局、幸の体調を考え、余り遠走りも出来まいとタクシーでコナベイへ向かう。料金はチップも含めて22$だった。
 宿泊先は、人気が高く予約無しでは殆んど無理とガイドブックにあった「KONA BEI HOTEL UNCCLE-BILLY’S」が取れた。まずは最初の飛び込みだったが、オフシーズンが幸いしてか一発でOK ! 部屋代は枕銭の2ドルまで含めて57$。宿泊棟は美しい植え込みや小道を挟んだオフィス・レストラン棟を中心にして扇形に配置されていた。エレベーターも有ったので、部屋は二階だったが荷物の出し入れも楽だった。ベランダ付のツインルームで諸設備も完備。ムードもサービスも申し分無しの宿であった。

★潜水艦英語ツアーは10$安。が、幸い日本人女性クルー搭乗で至れり尽くせり

 まずは予定していた潜水艦にでも乗ろうと、昼飯は手持ちの食料などで早めに済ませ、受付のあるキング・カメハメハ・コナ・ビーチ・ホテルまで中心街を見物しながら出かけた。日本語ツアーもあったが、参加したのは10$ほど安い割引券が使える英語ツアーにした。ちょっと不安だったが、好運にも若くて親切な日本人女性のクルーが乗っていてマンツーマンの詳しい日本語解説が聞けた。
 おまけに私がビデオを撮影していると、キャピテンが「此方の方が良く見えますよ…」と、最前部にある自分の操縦席に座らせてくれるサービスぶり。お蔭で、海底30mの暗い海中を魚に餌を撒きながら泳ぐダイバーが、私のビデオライトに明るく照らし出され、盛んに手を振ってくれるシーンも楽々と近接撮影できるなど、ご満悦の私だった。
 遊び終えての帰途、先ほどのホテルの名店街を覗くと、どこも年央の在庫一掃大バーゲン中で、信じられぬ安さの品が数々目に付く。この為つい財布の紐が緩み、アレモコレモと欲が出た。ちなみに幸のデザイン綿Tシャツ&短パン上下や、私のタイシルクつづれ織デザインシャツなど、どれも纏め買いの値引き価格ながら一着19$という安さにしてもらった。
 この夜も夕食は、幸が余り食欲が無いとの事から、近くのABCストアで買ったテイクアウト食品で共に済ませ、夜の街には出ずに就寝した。

**参考事項*****************************************************************

★支出経費明細(6月4日)
 *マウイ島ハーツレンタカー(24時間借料金48$66¢VISA決済額)………………… 4229円
 *ハワイ島「KONA BEI HOTEL UNCCLE-BILLY’S」部屋代(65$VISA決済額)…… 5605円
 *潜水艦「アトランティス」ツアー代金(2人分148$66¢VISA決済額)……………… 12395円
 *コナ空港⇔宿舎タクシー代(現金払41$×出国時両替レート@88$)…………… 3608円
 *名店街衣料品(現金払約80$×出国時両替レート@88$)……………………… 7040円
 *ABCストア食品(現金払約20$×出国時両替レート@88$)……………………  1760円

***************************************************************************

第5日目・1995(H7)年6月7日・水・晴
(6月7日-前半)さらばハワイ島。カイルア・コナ⇒ホノルル

★リゾート気分満点のコナ海岸、朝の散歩。でも、探したサラダは入手困難…

「KONA BEI HOTEL UNCCLE-BILLY’S」での夜が明けた。幸が起きる前にソッと部屋を出て、朝の散歩に出かけた。昨日潜水艦に乗りに出かけたのとは逆の、南に向かう宿舎前の道を少し行くと、海岸へ斜めに下る緑の芝生の中の道があった。静かな磯辺に出ると波打ち際に建つホテルの裏手伝いに小道が続いていて、美しい朝の海を見ながら更に南へと歩む。目を少しづつ右へ移していくと、やや突き出しているコナベイ沿いの地点に、白く美しい巨船のような建物が見える。昨日会場から特に目立った建物だった。高級リゾートホテルらしいが、もし出来るなら幸の体調次第で早い昼食を此処で済ませるのも良かろうと、現地まで行ってみることにした。
 途中、磯辺の小道は先ほどの海岸沿いの道に合流していて、あちらこちらに小さなスナックが点在していた。店先の海を臨むテラスは、テーブルに座り軽い朝食を済ます人々で賑わっていた。幸の好きそうなサラダでも朝食用に買って帰ってやろうと探したが、何処の店もケーキのようなパン類とか、アイスクリームやジュースやコーヒーと言った類のものばかりだった。どうやら朝食にサラダを食べるのは日本人だけなのかも知れない。
 例の白い建物に着く。洒落た高級ホテル「ROYAL KONA RESORT」と、レストラン「KONA HILTON LUAU」がそれだった。泉水を巡らせた木々の緑濃い庭が美しく。夜の豪華な食事をとりながらのルアウ・ショーは、ハワイ島No.1だと聞いた。ディナー以外は泊り客が主らしく昼の予約は叶わなかった。昨夜来て見たかったと残念に思いながら引き返す。
 先ほど立ち寄ったスナックの一つで休憩、冷たいコナコーヒーで喉を潤してから宿に戻る。まだ腹の具合が本調子で無いという幸だったが、少しでも食べないと力が付かないからと激励。持参したカップヌードルや昨夜余りのサンドイッチを並べ、買ってきたコナコーヒーを淹れ遅い朝食とした。

★食事も景色も美味しかった「レストラン・イン・コナ」

 午後にはホノルルへ飛ばなければならなかったが、まだ幸は余り元気が無く、部屋で横になったり起きて本を読んだりしていた。このため私は目の前にあるプールに飛び込んだりして、適当に昼前の時間を楽しんで過ごす。
 このホテルのチェックアウトは正午だったので、半時間程前に勘定を精算して荷物だけ預ける。まだ12時半に空港に向かうのでタクシーを呼んでおいて貰いたいと頼み、直ぐ下の海岸にある眺めの良いレストランまで食事に出かけた。
 緑の芝生、椰子の木越しに望む静かな海、沖に停泊する観光船、白波を蹴立てて走りすぎるレジャーボートなど…。そんな、見るからに晴ればれとする風景を楽しげに眺めながら食べたためか、フルーツバスケットやらハワイアン・サンドイッチやコナコーヒー等を、幸も「美味しい美味しい」と結構食が進み、ホッとする思いだった。

★地の利を巧みに利用したカイルア・コナ空港と沿道芸術

 宿に戻ると、殆んど待つ間も無くタクシーが到着して空港に向かう。黒い石ころだらけの沿道両側は、街路樹の代わりに色とりどりの花壇が帯状に連なり、遠くの山の緑と海の青以外は殆ど一木も無い風景に色を添えていた。一段高く積み上げられた花壇の黒い砕石は、この溶岩台地を切り開いて道路とした時の名残りのようにも思えたが、この花壇の斜面の其処此処に夥しい白い石を並べた様々な文様が認められた。「誰が何処から持ってきて何のために並べたものだろう。その中には確か日本語もアッタようだったが…」と、往路これを不思議に思って家内と私は話し合ったものだった。
 そうした訳で、「あの潜水艦『アトランティス』に乗った時、例の親切な日本人クルーの娘さんから、「ハワイ島の事なら何でも質問を…」と言われ、その白い石の事を尋ねてみた。すると「あれは白い珊瑚礁のカケラです。各地からの観光客が思い思いに海から車で運んできて、思い出にと残していった作品です」との事。殆どレンタカーで移動するハワイ島らしい野外芸術展とも思え微笑ましかった。
 さてこのカイルア・コナの空港からの出発は、1時50分発ホノルル行の定期便だった。待機時間が1時間程もあったので、到着時に随分個性的だと注目させられた空港設備を、しげしげと眺め回して時の過ぎるのを待つ。
 入口からボーディングゲートまでは折から工事中だったが、俄かづくりの長い通路で結ばれていた。待合室は、空港建設工事の第一段階で行われた溶岩台地の整地の際に出たであろう、黒く平たい礫を肩の高さ程に積み上げた空間だった。その一隅に搭乗待ち用の椅子が5~6列ほど並べられ、その上だけは簡単な柱や梁を使って、椰子の葉らしい日除け用の屋根が付けられていた。雨が多い東岸のヒロと違い、こちら西岸は気にするほどには雨が降らないのだろう。また改札口のある滑走路側だけは少し低い石垣になっていて離発着の飛行機が良く見渡せ、海からの風が心地よく吹き込んでいた。
 定期便の駐機スペースは前方から北側らしいが、、各社全便でも大した発着回数でないためか機影は皆無で、一度到着した他社便も客の乗り降りが済むと慌しく飛立って行った。それにひきかえ待合室南側は中小型機の駐機場らしく、セスナを始めとする可愛らしい飛行機が数多翼を休めているのが見受けられた。その中に今では余り見かけない水陸両用らしい複葉の中型飛行艇が混じっていて私の注意を惹いた。沿岸の警備や救難に使われるのであろう。
 
★5日間乗り放題ハワイアン航空券での別れは、感謝を込め「アロ~ハ !」

 やがて、海の彼方から私達の乗機らしい双発機が姿を見せて着陸、目の前のスポットに駐機した。一般客に続いて車椅子利用のお年寄りが数人、操縦席後ろのドアからレッカー車を使って静々と下ろされ、目印らしい三角の小旗を立ててやってきた。その取り扱いの慎重さを感心しながら見惚れるうちに、我々の搭乗も始まりタラップを上る。同乗者の中には、私達のほかに新婚さんらしい素振りの若い日本人カップルが一組いて席も近くだったが、アツアツで話しかけるどころの雰囲気ではなかった。
 前回のハワイ旅行で利用した7島めぐりのセスナツアーで一緒になった新婚さんは、ちょっと成田離婚も案じられたものだったが、今回は些か目の置場に困惑する有様…。マアともあれ此処ハワイは、とかく日本人の新婚さんが気になる所だ。
 さて、そんな我々を乗せて轟音と共に飛び立った機は、一旦コナ海岸の展望を楽しませてくれてのち旋回、ハワイ諸島が並列する西北に進路をとって進んだ。このためオアフ島までの大小各島が遠く近く数珠繋ぎに並ぶ様が、南側から手に取るように美しく眺められ楽しかった。
 ホノルル空港への到着は14時31分。飛行時間は僅か40分そこそこで、どの島へも飛行機だと一っ飛びである。この5日間格安の割引運賃で実に良く利用させてもらったハワイアン航空便だが、今回は此れが最後。
 …その何れの便も皆、立派な離着陸ぶりだった。この見事な腕前のパイロット揃いゆえに、屋根を吹き飛ばされるという何時かあった事故でも、沈着冷静に無事着陸を成功させ得たのだとの思いを新たにしながら、「アロ~ハ !」の挨拶を交わして笑顔の乗務員達と別れた。

第5日目・1995(H7)年6月7日・水・晴
(6月7日-後半)オアフ島ドライプ7日間…その1日目

★唯々脱帽 ! ローマ字表記の『日本語詳細道案内』

 ローカル便のビルを1階に降り荷物を受け取ってから、1週間の予約をしてある同じビル内にあるハーツ・レンタカーの窓口に行ったが無人。傍の電話で連絡をとってみたが、日本語のわかる職員が不在とかで要領を得なかった。そこでハワイアン航空の日系人職員に相談したところ直ぐ連絡を取ってくれ、荷物まで持ってハーツ・レンタカーのシャトルバス乗場まで送ってくれた。しかも乗車の際、連絡してある事務所の係員名まで運転手に指示して、黙っていても私達が車を借り出せるよう配慮してくれる親切さだった。このハワイでは、どこでも心優しい日系人に出会えて嬉しい。
 さてレンタカーの借り出し手続きを済ませ、いざホノルル市内に向かおうと車に乗ったものの、複雑に入り組んだ空港内の道からH1(高速1号線)イーストに乗り入れる道が良く判らず、ガイドブックと首っ引きしていたところ、ハーツの職員がやって来て一綴りの書類を渡してくれた。それは電算機からアウトプットしてくれたらしい、ローマ字で日本語表記した空港からワイキキまでの実に詳しい道順ガイドで、こんなものまで日本人のために用意してくれているのかと唯々脱帽 !
 でもここでローマ字をいちいち日本語に読み替えても居られないし、これは後日の資料とする事にした。かくして専ら日本語ガイドブックの指示に従い、ニミッツ・ハイウエーを通って市内へ向かう道を選び、慎重に車を発進させた。
 慣れぬ左ハンドルに右側通行でドギマギの迷運転手と、英文化卒の知識も既に錆付いて久しい迷ナビゲーター付きなので、割に道が複雑で混み合うホノルル近辺では、お互いが疑心暗鬼に成りやすい。「そこを右よ」「いや真っ直ぐだ」と喧嘩しいしい、何とかワイキキ手前のアラモアナ・ショッピングセンターまで辿り着いた。

★探し当てた日本語OKの穴場宿『LEALEA HALE』とオーナー夫妻

 ここで買物しながら日系人経営の宝石店を見つけ、安宿情報を仕入れてから、納得できるワイキキの宿を諸所探し回った。目星を着けておいた宿も、下見をさせてもらうとバスタブ無しで、部屋が陰気だったり、空室が無かったりで決めかねているうちに早くも夕暮れ近くなってしまった。焦る心を抑えながら、とあるアパートの駐車場にコンドミニアムと間違えて入り込みガイドブックを広げていると、そこに住むアジア系の若い女性が通りかかり、こう教えてくれた。
「このクヒオ通りの一筋北側の小道を入ると、丁度この建物の裏側のあの建物が日系人経営のコンドミニアムです。今、空室があるようだから訪ねてみては…」と言うのである。
 それは『LEALEA HALE』と言う名前のコンドミニアム(アパートメント・ホテル)だった。経営者は、ご主人が荒川さんと言う沖縄出身の二世であり、その荒川さんが朝鮮戦争で来日され、見初められて国際結婚した仙台出身の夫人と言う取り合わせ。だから英語不得手の私達にとって日本語で会話ができ、早速3階にある2LDKの一室を帰国まで借りさせてもらう事が出来た。
 そこはシャワーのみでバスタブが無かった事、建物が古く一部の家具が少々お粗末だった事、眺めが余り良くなかった事など、欠点も幾つかあった。しかし結構広いベランダもあったし、LDK部分には旧式ながらエアコンも付いていて、大きな吊り下げ扇も天井にあった。厨房部分も広く設備什器付きで自炊も出来た。また寝室もツインとダブルの2寝室があり、各室とも網戸付きの窓だけながら風通しが良く、備え付けの扇風機と併用すれば特に暑さは感じなかった。
 これだけのスペースと設備なのに、部屋料が駐車場料7ドルや税金など全て加えた最終支払額でも、一日当り約67ドルというのだ。願ったり叶ったりの割安物件に出あえたものだと思う。その上ここは、ワイキキ海岸へも歩いて5分から10分と近く、その途中にスーパーも有って地の利もマズマズだったから大いに気に入った。
 なお荒川夫妻は他にも多数のマンションを持つ不動産業者らしく、直ぐ斜め向かい側の高層ビル4部屋を買い取り高級コンドミニアムとしていた。現に同夜、その一室が数日空いているので私達が希望すれば利用しても良いと案内された。
 そこは新築間もない二十数階に位置した結構広い1LDKだったが、アラワイ運河側の窓からは巨大なクリスマスツリーを並列したような山麓の住宅地の夜景が展開、一瞬息を呑む素晴らしさだった。また東側の窓からはワイキキのホテル街に林立する高層ビルの灯が近く遠く広がっていた。昼間なら多分その間からダイヤモンドヘッドも展望できた事だろう。室内のインテリアも行き届き、最新設備が完備していて一寸した高級ホテルのスイートルームと見違えるばかりだった。ちなみに、ここの部屋料は税抜きだろうが駐車場付きで85ドル。但し年末年始やバカンスシーズンなどは、いずれも多少高くなるようだ。
 ともあれ探しあぐねたオアフ島での宿も見つかり、早速ワイキキの大通りカラカウヤやクヒオまで出かけ、帰途、スーパーで食品などを仕入れて帰宿した。夕食は幸の手料理でビーフの照焼や野菜サラダなど。これから一週間程は全く宿の移動も無く寛げると、テレビ見ながら手紙や日記などを書き就寝する。

**参考事項*****************************************************************

★支出経費明細(6月7日)

*オアフ島『LEALEA HALE』2人7泊分$475.56(VISA決済$405.56+現金払$70))…… 41144円
 ※場所…ホノルル市(ワイキキ海岸まで徒歩5分~10分)
 ※会話…オーナーは、日本語堪能な日系人夫妻
 ※部屋…ツイン&W2寝室、L(此処だけ空調可)DK、シャワー、トイレ、ベランダ付
 ※備考…$475.56=VISA決済$405.56(6泊分35054円)+現金払$70(追加1泊分6090円)
     但し、駐車場料7日分計$49(@$7)を含む。
     また他にルームキー保証金として$20の預託が必要。
*アラモアナSC(雑貨代金≒$15)………………………………………………………1320円
*ABCストアー(食品代金≒$25)……………………………………………………… 2200円

***************************************************************************

第6日目・1995(H7)年6月8日・木・晴
(6月8日)オアフ島ドライプ7日間…その2日目

★最新大規模郊外型SC「ワイケレ・センター」探訪記

 寝たいだけ寝てから起き出し、ダイニングの丸テーブルに向かい合い朝食にした。パンにコーヒー、野菜サラダにフルーツと、我が家と余り変わらぬ献立を平らげながら、さて今日は何処へ行こうかと話し合う。噂ではワイキキ海岸やアラモアナSCより格段の安いと機中で評判を聞いたワイケレの
ショッピング・センターへ行き、ニイハオ・シェルを探してみる事にした。
 宿の前の小道から2筋山側にある運河沿いのアラワイ通りに出て西進、最初の橋を右折して渡り、マッカリー通りを北進して陸橋を越えると直ぐ、左にH1への進入路がある。住宅街の中をクランク型に辿る道だが、エトランゼの私達には一寸引っかかりやすい小道が、左折すると直ぐ手前にあって戸惑った。だが後続車が迫ってきた。「ええ儘よ !」と、多くの車の後を追う事とした。
 勘が当ってH1への乗り入れに先ずは成功。この先はH2との分岐点パールシティーまで、路線を間違えそうなところは無いとタカを括っていたところ、途中に空港への大きな分岐点があった。エアーポートの表示を頼りに走ったのだが、ニミッツ・ハイウエーの表示ばかりが目立ち始め、道はいつか片側6車線となって続く。困ったぞ広がった道のどの路線を進んだものかと迷う間に、時すでに遅く分岐点を行き過ぎてしまった。間違えたかなとも思ったが、この闇勘のハンドル裁きも運良く的中していてホッとした。
 だが次のパールシティーでの分岐点がいけなかった。注意に注意を重ねて標識を見ていたつもりだったが、いつしかH2号線に入ってしまって大慌て…。このままではノースショアへ向かってしまう。頼りにならないナビゲーターだと、妻を嗜めてみても後の祭り。仕方がない大分先の次のインターまでH2に付き合って引き返し、何とか目的の「ワイケレ・ショッピング・センター」に到着した。
 そこには、業種別のスーパーマーケットが核となった商店街が幾つも点在し、そうした各街区を周回する無料のトラム・カーが、買物客の足となってこれらを結んでいた。ショッピング・パークとも言い得る所だった。
 しかし、宣伝の割には格安と思える品は少ない。「安い安い」は誇大広告かと一寸期待はずれの印象を受けた。VISAカードのゴールドデスクから出発前に取り寄せた割引券も、適用条件が厳しすぎ通用する所は余り無かった。わざわざ高速道路を半時間以上も飛ばして来る程の事も無かったと話しながら、一角にあったマクドナルドに立ち寄り、あのハワイアン航空から貰ったドリーム籤の当り券で、ビッグマックのハンバーガーを受け取り引き返す。

★お目当ての「ニイハオ・シェル」を手に入れ幸ご満悦 !!

 昼食は既に正午を大分回っていたが、ワイキキまで戻ってからローヤル・ハワイアンSCの一階に出店している「浪花屋」の日替わり弁当と鮭弁を買う。緑茶まで入れても8ドル程度と安い割には、なかなかイケる味で、庭に集まる小鳥達にも分け与えながら、私達も近くのベンチで分け合って食べた。
 食後、幸がNHKのテレビで見て欲しがっていた入手は極めて困難とも聞いたニイハオ・シェルの首飾りを探しにワイキキ界隈の宝石店を訪ねて回った。しかし案の定、殆どの店で在庫が無く、僅かにハイアット・リージェンシー・ホテル2階の宝石店で、白一色3連の見事な首飾り1点を見つけ家内は小躍りした。しかし定価も950ドルと、年金生活の私達には結構高かったので、これに加わる税金程度でもと値引き交渉してみたが、海の汚染で生産量が激減し以後入荷の見込みがない品だからと、どうしても応じてもらえなかった。
 このため、もう少し他も探してみようと一番の名門ホテルとして知られるローヤル・ハワイアンへ行って見たところ、色物も混じった小さい首飾りばかり数点を見つけた。価格が3~400ドルと比較的に手頃だったし、丁度セール中で10%割引と聞いたため、幸は「これでも十分」と決めかけた。しかしこうした高級品には余り関心の無い私の目にも、それは先ほどの見事なまでに惚れ惚れとさせる品とは余りにも見劣りがした。このため、未だ帰国まで時間があることだし、もっと納得の行く品を根気良く探してみようと引き止めて帰宿した。
 …一寝入りして起きると既に日暮れだった。夕食材料や土産物を物色しに幸と外出、再びあのハイアット・リージェンシーに立ち寄る。1階角のABCストアーで日経新聞を買うためだったが、ついでに2階まで上がって例の宝石店を覗いてみた。すると昼間とは店員が交代していたため、このニイハオ・シェルに惚れ込んだが、高くて買い切れないでいる事や、ちょうど全品10%割引のセール中だったローヤル・ハワイアンホテルの宝石店で、手頃な値段の品も見つけた事。だが余りに見事な貴店の品が忘れられず、帰国までジックリ検討して決めることにした事などを話す。
 すると驚いたことに、それなら850ドルにしてあげましょうと、アッサリ百ドルも値引きしてくれたため、思い切って買ってしまう事にした。消費税まで加えると約計885$で、出発時の両替レート88円で換算すると邦貨77880円となる。これをもし定価で買ったとすると税込み約993ドルとなるので、邦貨ではザッと一万円近く得をした事になるので、二人ともニコニコ顔だった。
 こんなことから、買物を早めに切り上げ宿に戻った私達は、念願叶って手に入れたニイハオ・シェルを早速取り出して見た。…その何千個とも思われる見事に磨き上げられた小さな小さな貝の首飾りは、見れば見るほど見事だった。気品に満ちたその美しさは、確かに私達の乏しい蓄えの一部を犠牲にしても惜しくない、素敵な工芸品に見えた。それに第一、その夜の幸は念願叶った子供のように嬉々としていた。
 幸がこの貝を胸にする度毎、この貝を共に探し歩いたハワイの旅が楽しく思い出されるに違いない。そしてまた私も、この美しい首飾りを作っているニイハオ娘の夢でも見られれば良いのだが…。

**参考事項*****************************************************************

★支出経費明細(6月8日)
 *ニイハオ・シェル首飾り(VISA決済額$885)…………………………………………76352円
   ※ハイアット・リージェンシー2F宝石店
 *ABCストアー(食品代他≒$10)………………………………………………………≒880円


***************************************************************************


© Rakuten Group, Inc.